クレーンの選定基準って?

こんにちは。


さいたま市で重量物の搬入や搬出、据付作業、解体を行っている土屋重量機設です。


今回はクレーンについて説明させていただきます。


クレーンの選定基準


クレーンは建設や製造業、物流などで重い物品を持ち上げるための重要な機械です。しかし、適切なクレーンを選定するにはさまざまな要因を考慮する必要があります。本記事では、クレーン選定の基準について詳細に説明します。


1. 作業現場の特性


1.1 作業環境


クレーンを使用する場所の環境は、選定の初期段階で考慮するべき重要な要因です。例えば、屋内と屋外では必要なクレーンの種類が異なります。また、作業現場が狭い場合は、コンパクトなクレーンが求められます。風が強い場所や地盤が不安定な場所でもクレーン選定に影響を与えます。


1.2 作業の高さ


持ち上げる物品の高さも重要な要因です。高所での作業が多い場合、高さを確保できるクレーンが必要です。この場合、高所作業車や大型のタワークレーンが適しています。


2. 持ち上げる物品の特性


2.1 重量


最も基本的な選定基準の一つは、持ち上げる物品の重量です。クレーンにはそれぞれ最大荷重があります。物品の重量がクレーンの許容荷重を超えると、クレーンの損壊や事故の原因になります。したがって、持ち上げる物品の最大重量を正確に把握する必要があります。


2.2 サイズと形状


物品の形状やサイズもクレーン選定に大きな影響を与えます。長尺物や異形物を持ち上げる場合、その物品を安全に持ち上げるクレーンの種類を選定する必要があります。また、大きな物品を持ち上げる場合、クレーンのフックやグリップ方法も考慮する必要があります。


3. 動作範囲と機動力


3.1 移動距離


クレーンが移動する範囲も重要です。移動距離が長い場合、トラッククレーンやラフテレーンクレーンなどの自走式クレーンが適しています。一方、固定位置での使用が主な場合は、タワークレーンや橋型クレーンが効果的です。


3.2 機動力


クレーンの機動力も考慮すべきです。例えば、作業現場が狭い場合や、精密な動作が求められる場合、小型で機動力に優れたクレーンが必要です。また、クローラークレーンやラフテレーンクレーンは、地形が不安定な場所でも移動が容易です。


4. 操作性と安全性


4.1 操作性


クレーンの操作性も選定の重要なポイントです。最新のクレーンは自動化やリモート操作が可能な機種も多く、これにより作業効率が大幅に向上することがあります。操作が簡単で直感的であることは、作業者の負担を減らし、操作ミスを防ぐ要因となります。


4.2 安全性


クレーンの安全性は最も重要な要素の一つです。クレーンには様々な安全機能が搭載されています。吊り荷の重さを自動で計測する機能や、過負荷を検出して警報を発する機能、さらには自動停止機能などがあります。これらの機能を備えたクレーンを選定することで、事故を未然に防ぐことができます。


5. メンテナンスとコスト


5.1 メンテナンス


クレーンのメンテナンスは、長期間にわたり安全に使用するために欠かせない要素です。定期的な点検や修理が必要であり、商業的な活動を中断させないようにするためには、メンテナンスの容易さも考慮する必要があります。部品の入手しやすさや、メンテナンスの頻度も選定の基準となります。


5.2 コスト


最終的な選定基準として、コストも重要です。クレーンの購入価格だけでなく、運用コストやメンテナンス費用も含めて総合的に評価することが求められます。また、レンタルやリースの選択肢も検討することで、初期コストを抑えることができます。


6. 玉掛け工具の選定基準


クレーンを使用する際、「玉掛け」作業は欠かせない工程です。玉掛けとは、クレーンで吊り上げる物品に対して適切な吊り具を選び、安全に取り付ける作業のことを指します。以下では、玉掛け工具の選定基準について説明します。


6.1 玉掛けワイヤーロープ


ワイヤーロープは、玉掛け作業において最も一般的に使用される工具の一つです。


6.1.1 直径と長さ

持ち上げる物品の重量とサイズに応じて、適切な直径と長さのワイヤーロープを選定する必要があります。また、ワイヤーロープの許容荷重(SWL: Safe Working Load)を確認します。


6.1.2 構造と材質

ワイヤーロープには様々な構造や材質があります。柔軟性が求められる場合は、多心ワイヤーロープが適しており、強度が求められる場合は高強度鋼を使用したものが適しています。


6.2 チェーンスリング


チェーンスリングは、頑丈さと耐久性が求められる玉掛け作業に使用されます。


6.2.1 チェーンのランク

チェーンには、特定のランクがあります。例えば、ランク8(グレード80)やランク10(グレード100)などがあり、それぞれ異なる最大荷重があります。作業条件に合わせて選定してください。


6.2.2 長さの調整

調整可能なチェーンスリングを使用すると、さまざまなサイズの物品に適応しやすくなります。


6.3 シャックル

シャックルは、ワイヤーロープやチェーンスリングをクレーンフックに取り付けるための重要な工具です。


6.3.1 タイプ

シャックルにはD型シャックル、ボウシャックルなどがあります。使用目的に応じて適切なタイプを選びます。


6.3.2 ピンの種類

ピンには、ネジ式ピンとクリップピンがあります。取り付けやすさと安全性を考慮して選定します。


6.4 吊りベルト(ラッシングベルト)


吊りベルトは、柔らかい物資や傷つきやすい物品を吊り上げる際に使用されます。


6.4.1 材質と幅

ポリエステルやナイロン製のベルトが一般的です。物品の重量と特性に応じて適切な幅と材質を選定してください。


6.4.2 許容荷重

使用する際は、ベルトの許容荷重を確認し、物品の重量に対して安全な範囲内で使用することが重要です。


6.5 フック

フックも玉掛けにおいて重要な役割を果たします。


6.5.1 安全ラッチ

安全ラッチ付きのフックを選ぶことで、物品がフックから外れにくくなり、事故を防ぐことができます。


6.5.2 フックの形状

フックには様々な形状があります。例えば、回転フックやアイフックなど、使用環境と物品に合わせて選ぶことが推奨されます。


玉掛け工具の選定は、クレーン作業の安全性と効率性を左右する重要な要素です。クレーンそのものの選定と同じように、玉掛け工具も使用する環境や持ち上げる物品の特性を考慮し、適切な工具を選ぶことが非常に大切です。また、定期的な点検やメンテナンスを行い、安全性を確保することも忘れてはいけません。


まとめ

クレーン作業の専門家やメーカーと相談しながら、最適な玉掛け工具を選定することで、作業の安全性を高め、効率よく物品を取り扱うことができます。

クレーンの選定基準は多岐にわたりますが、作業現場の特性、持ち上げる物品の特性、動作範囲と機動力、操作性と安全性、メンテナンスとコストの5つの主要な要因を考慮することが大切です。各要因を総合的に評価し、最適なクレーンを選定することで、安全かつ効率的な作業環境を実現することができます。


クレーンの選定は専門的な知識が必要ですが、信頼できるメーカーやプロフェッショナルに相談することで、適切な選択ができます。

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