【案件情報】
所在地: 埼玉県
建物種別: 事務所・自社ビル(屋上)
工事種別: 空調設備更新工事(撤去・搬出・搬入・据付・屋上横引き)
【工事概要】
建物の周囲が塞がれてしまい、大型クレーンによる高額な施工しか選択肢がないと思われていた現場において、工法を工夫することで小型クレーンでの施工を実現。老朽化した業務用室外機3台の更新工事(撤去・搬入・据付)を低コストかつ安全に行いました。
■ 施工の背景
室外機の老朽化に伴う入れ替え工事です。
建物自体の高さはないものの、以前の工事の時とは異なり周囲に新しい建物が建ち並んだため、自社の限られた敷地内からしかクレーンをアプローチできない状況になっていました。設置場所までの「作業半径(距離)」が非常に長くなり、通常の方法では120トンクラスの大型ラフタークレーンを呼ぶ必要があり、3台の室外機交換に対して莫大な費用がかかることから、お客様は一度工事を断念されかけていました。
■ 工事における課題と解決策
-大型クレーンを回避する「屋上折板(せっぱん)屋根のロング横引き」の提案
課題:
120トンクレーンを使用するとコストが膨れ上がりすぎるため、敷地内から届く13トンクラスの小型ラフタークレーンで作業を行わなければなりませんでした。しかし、小型クレーンでは屋上の奥にある設置場所までフックが全く届かない(作業半径が足りない)という致命的な課題がありました。
解決策:
「クレーンが届かないなら、届く場所まで屋上を移動させればいい」という重量鳶ならではの逆転の発想をご提案。クレーンのフックが届く建物の際(きわ)まで、屋上の折板屋根の上を横引き(水平移動)させてアプローチする計画を立案しました。これにより、120トンクレーンの手配を回避し、13トンラフタークレーンでの施工を可能にすることで、工事費用を劇的に抑えることに成功しました。
-折板屋根を傷つけない「仮設門型」による揚重
課題:
室外機がある屋上は波型の折板屋根になっており、そのまま重量物を引きずると屋根を激しく損傷させてしまいます。また、クレーンが届かない位置での昇降作業が必要でした。
解決策:
既存の設置場所に「仮設門型クレーン」を組み立て、チェーンブロック等を用いて室外機を安全に吊り上げ。屋根の山をまたぐための仮設レールやステージを構築し、人力と特殊機材を用いて建物際までのロング横引きを安全かつ確実に行いました。
■ 工事内容の詳細
仮設・ステージ構築: 屋上の折板屋根を保護するための養生と、重量移動用の仮設レール・ステージを敷設。
既存機撤去(横引き): 既存設置場所に門型を組み、古い室外機を吊り上げてステージへ降下。建物際まで慎重に横引き移動。
クレーン揚重: 13トンラフタークレーンをセットし、建物際まで持ってきた古い室外機を吊り下ろし、続けて新設の室外機を屋上の際まで吊り上げ。
新設機搬入・据付: 新設機を屋根の上で逆ルートで横引きし、門型クレーンを使って元の設置場所(架台)へ精密に据付。
■ 施工結果
他社では「大型クレーンが必要で高額になる」と言われていた難現場でしたが、当社の工法提案によってお客様のご予算内に収まる大幅なコストダウンを実現いたしました。折板屋根や周囲の建物を一切傷つけることなく、3台の室外機を無事に更新。重量鳶としての「知恵」と「技術」でお客様のピンチを解決できた、大変お喜びいただけた事例となりました。

